INTERVIEW
村上 太一TAICHI MURAKAMI 株式会社リブセンス / 代表取締役社長
事業家になると考えたのは小学6年生のころ。高校時代に自身が感じた社会の課題から考えたビジネスプランを、大学で開催されたビジネスコンテンストで発表、優勝したことをきっかけに株式会社リブセンスを創業。25歳で東証一部上場を果たし、「最年少上場社長」としても知られる。
人はなぜ生きるのか、幸せとはなんなのか?
リブセンスという社名は、“LIVE + SENSE = 生きる 意味”という言葉が由来になっています。生きる意味とは、一体何なのでしょうか?わたしは「幸せに向かって生きていくこと」だと思っています。では「幸せ」とはどういう状態でしょうか?それは、誰かに喜んでもらうこと。つまり「幸せとは、人を幸せにすること」ではないか。そのように考えたのが、小学校高学年の頃でした。多くの人を幸せにする。それを実現するために、事業を創造する(会社を経営する)道を志すようになりました。
中学時代、高校時代もその想いは変わりませんでした。チームや接する人々を笑顔にする、そんな軸のもと行動していました。バレンタインでもなんでもないのに、みんなにお菓子を作って配ったり(笑)。また、直に接する人だけではなく社会全体がより良くなるように、高校時代の文化祭では貧困国の人々への理解を促したいと、ユニセフのブース作りもしました。
リブセンスは、そんな遺伝子を持って生まれた会社です。だから、ただ稼ぐためだけに存在する事業には興味がありません。その事業がどういった社会の課題を解決し、誰を幸せにするのか。そんな哲学を大切にしたいと考えています。
ITはレバレッジが効く。たくさんの人に影響を与えられる。
IT領域で事業をいくつも展開しているリブセンス。それは、小さな頃からIT領域に興味を持つわたし自身の経験が関わっています。
最初に買ったパソコンはWindows95。小学生の頃、祖父が将来絶対に必要になる、と購入してくれました。購入したパソコンが古くなった後は、大量のソフトがプリインストールされている市販のハードは高価だったためPCを自作したり、画廊を経営している祖父の会社のホームページを作ったり、今や懐かしい言語となったVisualBasicでゲームをつくったり、着メロを制作して投稿してみたり。作り出したものが物理空間を超えて全国、全世界の人に使われる経験を通じて、ITを活用したサービスの広がりを感じました。
社会は歪んでいる。事業を通じて最適化したい。
街を歩く人たち。なんだか幸せそうで笑顔な人もいれば、苦しげで暗い顔をした人も。日本の幸福度が先進国と比べて低いというのは、様々な統計データから算出されています。謙遜を美徳とする日本人らしさが強調されているだけかもしれません。ただ、もっと幸せに、もっと楽しく生きることは出来るはずです。
「働いてみたら、想像していた職場と大きなギャップがあった。」「転職時の年収は現年収がベースになるけど、実力が正当に評価されているかわからない。」「人生で最も大切な買い物である住宅。価格や地盤、治安や教育など正しい情報にアクセスできない。」「マッチングアプリによる出会いは一般化したものの、条件や外見などが過度に重視され、好みの相手に出会えない。」そんな、世の中の課題を解決するべく事業を創ってきました。私は「世の中には歪みがある」と思っています。本来あるべき像と比べ、過去から現在に至るまでの慣習や歴史、テクノロジーや社会変化への対応の遅れから、そのような歪みは生まれています。わたしたちが創り出すサービスで、そんな歪みを最適化し、より良い社会を作っていきます。
現在の会社満足度は、100点満点中、5点!
上場してから10年余り。一方、ただ単に安定した企業と思われたくはありません。現在の会社に点数をつけるとしたら、100点満点中、5点くらい、でしょうか。まだまだ道半ば。まだまだ成長途中。まだまだ変化し続けなければなりません。それがリブセンスのあるべき姿だとも思っていますし、サービスに新しい価値を付加したり、これまでにない領域を切り開いていくためには、これまで以上に、型にはまらないようなやんちゃな人と共に事業や組織を創り上げていきたいと思っています。
社会に必要とされる新たな価値を生み出す、常に変化、挑戦し続ける。そんな、本来の意味でのベンチャーマインドをこれからも大切にし続けたいと思っています。
テクノロジーや社会の変化、リブセンスの成長により、解決可能となる社会の課題はこれからも生まれ続けるでしょう。世の中を笑顔に、一歩前進させる。そんな使命感を持って、会社経営を続けます。